まあ、リアルの話だから、正直このBlogに書くことに未だ躊躇いがあるんだけど。
いしゅたんもけっこうリアルの話書いてるからいいかなとか思うわけで。
父が入院することになった。
実は結構寝耳に水というか、何で急にそんなことに?といった感じなのだが。なにやら、脳の前頭葉付近に『何か』があるらしい。CTスキャンだかなんだかでかなり大きな影が映っているとのこと。現状ではそれがなんなのかはっきりとは分からないが、いわゆる腫瘍というよりは、なにか水が溜まっているような雰囲気、らしい。
明日から三日間ほど、MRIなどを使って検査をするということで。検査の結果がどうあれ、その異物を取り除くための手術はしなければならないものなので、暫く入院することが確定している。最低でも二週間。
今日は父が一日家に居たので、色々とこまごま、日常的な話をする機会もあったのだが。
どうでもいいところで、いちいちつまずく。何を話しても、途中で何度も『え…それってどういうこと?』と聞き返されるし、父の話もいまいち要領を得ない。具体例を挙げると、シャンプーを表現しようとして父が用いた表現が『あの頭に塗るやつ』であったとか。そんな風なので、まるで大きな子供を相手に話をしているようだ。いや、きっと子供相手に話をする方がまだしもお互いに理解が早いに違いない。
正直、人がこういう事態に陥った話を聞いた時、『でも自分は大丈夫だろう、自分の身辺ではそんなことは絶対起こらないに違いない』とかいう、無責任で無根拠な確信があった。というか、そういう信仰を持っていたと言ってもいい。そんなことを毎日のように心配しながら過ごすというのは精神に大きな負担を強いるから、思考から排除して然るべきだし、自分が間違っていたとも思わない。だが、いざ我が身に降りかかってみると、ああ、これは重い、な。
俺はきっと、おかしいのだと思う。こんな状況であるのに、それをひどく辛く思うのに、同時に少し、ほんの少しだけ、この状況を歓迎しているのだから。
ああこれで、身近な人がおかしくなってゆく場に立たされた者の精神状態を、俺は理解することが出来るようになった。きっとこれで、『そういう人物を描写する際に役に立つ』。
現実の全てを観察対象として俯瞰する。そんな存在になりたいと思ったことなんて一度だってない。そう、自信を持って言い切れないんだ。
因果な性分だ、本当に。罰に当てられても文句は言えないと思うよ。
恐らく、全てのモノカキ志望…小説家志望の中でも、万人が持っているわけではない特異な、科学者のごく少数が備えるようなマッドサイエンティストのそれにも似た形質を、俺は持ってしまっているのだろう。その善し悪しは別にして。
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